油圧ポンプから吐出される油の圧力・流量をアクチュエータ(シリンダ・油圧モータ)の動作に応じた圧力・流量・流れの方向に調整するバルブです。
・油圧制御弁は用途により大きく分けて3種類あります。
種類 | 用途 |
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圧力制御弁 | 油の力(圧力)を調整するバルブ |
流量制御弁 | 油の量(流量)を調整するバルブ |
方向制御弁 | 油の流れる方向を切換えたり、一方向にしか流れないように制御するバルブ |
ここでは圧力制御弁について説明します
圧力制御弁は用途により大きく分けて4種類あります。
種類 | 用途 |
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リリーフ弁 | 油圧ポンプからの供給圧力上限を設定 減圧回路の異常な圧力上昇を防止 |
減圧弁 | 油圧ポンプからの供給圧力を調整(圧力の条件に合わせて下げる) |
シーケンス弁 | アクチュエータ(シリンダ・油圧ポンプ)の動作順を決める。アクチュエータの圧力保持にも使用 |
カウンタバランス弁 | 主に垂直方向の荷重を支えるために使用 |
・直動形リリーフ弁とパイロット作動形リリーフ弁の2種類の機構があります。
直動形リリーフ弁 | 応答性が良く、リリーフ弁への通過流量が少量の場合に使用 |
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パイロット作動形リリーフ弁 | リリーフ弁への通過流量が大流量でも使用できるので幅広く使用 |
リリーフ弁の油圧回路内での動作例について説明します。
下記油圧回路図では、リリーフ弁で油圧ポンプの圧力を設定しています。
油圧ポンプの圧力がリリーフ弁の設定圧力より高くなると、リリーフ弁が作動し設定圧力以下に抑えます。
(この例では、リリーフ弁10MPaに設定)
・リリーフ弁とは逆に、弁より下流側(2次側)の圧力を調整します。
・直動形減圧弁とパイロット作動形減圧弁の2種類の機構があります。
減圧弁の油圧回路内での動作例について説明します。
下記油圧回路図では、シリンダ押出し側の圧力を減圧弁で設定しています。
シリンダの押出し圧力が減圧弁の設定圧力より高くなると、減圧弁が作動し設定圧力以下に抑えます。
(この例では、シリンダ動作圧3MPaに設定 減圧弁5MPaに設定)
・シーケンス弁は、アクチュエータの順序作動を制御します。
・例えばシリンダが2本あり、油圧回路のみで先に片方のシリンダを動作させてから、もう片方のシリンダを動作させたい場合等に用います。
シーケンス弁の油圧回路内での動作例について説明します。
下記油圧回路図では、シリンダBの押出し側にシーケンス弁を取り付けています。最初にシリンダAを作動させ、押出し端まで作動終了後、シリンダBを作動させる油圧回路となっています。
シーケンス弁にかかる圧力が設定値を超えるまで、シリンダBへの油の供給は止まっています。
(この例では、シリンダAの動作圧3MPa、シーケンス弁5MPaに設定)
・カウンタバランス弁はシリンダで重量物を下降させる場合等に使用します。
・シリンダ下降時油の流出側に圧力(背圧)を発生させることにより、シリンダが自重で落下することを防止し下降速度を制御するために使用します。
カウンタバランス弁の油圧回路内での動作例について説明します。
下記油圧回路図では、シリンダが自重(重量W(N))で下降しないようにカウンタバランス弁を取付けています。
下降動作の際、ポンプからシリンダに向け油を送り込むことにより、カウンタバランス弁が作動しシリンダが下降開始します。
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