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  • 任意の油温制御ができるハイブリッド機器と、水と熱交換をする水冷式のオイルクーラの2種類あります

1. オイルコン

1-1. オイルコンとは

  • エアコンがエアコンディショナーの略語であるように、当社ではオイルコンディショナーを略して「オイルコン」と呼んでいます。
  • エアコンの室外機、室内機の部品をワンパッケージにして空気の代わりに、工作機械の油や切削液を冷やすハイブリッド機器です。
  • 加工精度を向上させる目的で、工作機械の主軸温度やあるいは切削液(クーラント液)の温度を一定に制御します。

1-2. 用途

  • 油や切削液の温度を設定したい温度に調整します。
    (単に温度を下げるだけでなく、高精度で温度を調整します。)
  • 温度制御する液体によって、油専用機と、切削液等油以外の液体も制御できる機種に分かれます。
  • 冬の低温対策として、ヒータ取付機種もあります。

(1)循環形(AKZシリーズ)

  • ビルトインモータ(冷却油)、ギヤボックス内(潤滑油)、油圧ユニットタンク等の温度管理(作動油)に用います。

(2)浸漬形(AKJシリーズ)

  • 油・切削液(クーラント液)・工業用水・エチレングリコールなど多くの液体に使用可能。
  • タンク上部に設置し、冷却コイル部分を直接液体に浸漬させています。

(3)切削液循環形(AKCシリーズ)

  • 主に切削液冷却用として使用します。
  • 切削液の温度制御が急に必要になった場合の追加設置や、タンクの底が浅く浸漬形が取付不可の場合でも、容易に取付可能。

1-3. 工作機械でのオイルコン使用例

1-4. オイルコンの特長

(1)高精度温度制御

  • インバータ制御により目標設定温度に対して負荷に応じた冷却能力で動作し、負荷0%(無負荷)~100%すべての範囲で±0.1℃の温度制御可能です。

(2)高い省エネ率

  • IPMモータ、冷媒R410Aの採用により、ノンインバータ機と比べて約45%の省エネ効果。

1-5. 温度制御

1-5-1. 循環形(AKZ)

(1)対象

  • 下記3ヶ所の温度制御が可能です。
  1. 入口油温制御:オイルコンに入る油の温度を制御
  2. 出口油温制御:オイルコンから機械へ出る油の温度を制御
  3. 戻り油温制御:機械からタンクへ戻る油の温度を制御

(2)方法

  • 下記3種類の温度制御が可能です。
  1. 固定温度制御:設定した一定温度に合わせる
  2. 室温同調制御:室温の変化に合わせて温度を同調
  3. 機体温度同調制御:工作機械の温度変化に合わせて温度を同調

(3)選択

  • 対象と方法から3×3=9種類の温度制御が可能です。
  • 冷却出力を%(パーセント)で指令制御
    (制御対象や方法に関係なく、各オイルコンごとの最大能力の何%で運転するかを設定します。)

1-5-2. 浸漬形(AKJ)

(1)対象

  • 浸漬形は制御対象がタンク液温のみとなります。

(2)方法

  • 循環形(AKZ)と同様に3種類の温度制御方法があります。

(3)選択

  • 対象と方法から3種類の温度制御が可能です。
  • 冷却出力を%(パーセント)で指令制御

1-5-3. 切削液循環形(AKC)

(1)対象

  • 下記2か所の温度制御が可能です。
  1. 入口温度制御:タンクからオイルコンに入る液体の温度を制御
  2. 出口温度制御:オイルコンからタンクに戻る液体の温度を制御

(2)方法

  • 循環形(AKZ)と同様に3種類の温度制御方法があります。

(3)選択

  • 対象と方法から2×3=6種類の温度制御が可能です。
  • 冷却出力を%(パーセント)で指令制御
 

*長寿命フィルタ(ラクフィル)

  • 空冷式オイルコンの吸気箇所に取り付ける長寿命フィルタです。

(1)用途

  • 粉塵やオイルミストの多い環境では、オイルコンのフィルタや冷却フィンが目詰まりを起こして冷却能力が低下することがあります。定期的なメンテナンス期間を長く取りたい場合に使用します。

(2)特長

  1. フィルタ交換は年に1回で可(ミスト濃度0.5mg/m3の場合)
  2. 冷却フィンのお掃除不要:フィルタのマイクロ繊維が
    オイルミスト・粉塵を捕集。冷却フィンに汚れが付かない状態を維持します。
  3. 消費電力の削減:冷却フィンに汚れが付かないので、熱交換率の高い状態を維持します。

(3)注意点

  1. 9シリーズオイルコン用
  2. フレーム+フィルタで取付
    最初はフレームとフィルタを取り付けます。
    2回目以降は、フィルタのみ交換となります。
 

1-6. 水冷式オイルコン

  • オイルコンは、一般的に奪った熱を周囲の空気と熱交換する「空冷式」で、設置が容易で使いやすい反面、設置場所の周囲温度を上げてしまう問題があります。
  • そのため、冷却水を循環させて排熱し、周囲温度に影響を与えない「水冷式」タイプもあります。

(1)特長

  1. 排熱レス
    熱交換して奪い取った熱を冷却水を循環させ除去するため、工場内の室温が上昇しません。 (ただし電気部品の排熱は除きます)
    室内工場で精密加工をする場合等、室温の上昇を防ぎながら油や切削液を設定した温度に制御します。

  2. フィルタの掃除が不要
    空気の吸気箇所が無いので、フィルタの掃除が不要です。

(2)注意点

  • 冷却水の準備が必要です。

2. 水冷式オイルクーラ

  • 油を冷却するための機器で、クーラ内に温度上昇した油を循環させ、別配管で冷却水をクーラ内に循環させることで、直接熱交換をして油を冷却します。

(1) 外観

(2) 内部構造

  • 冷却水は1から入り、下部側の配管内を通ります。油と熱交換しながら、逆側のカバー内部2で方向転換し、上部の配管内を通り3から外部に出ます。
  • 油配管から油を流すと水配管の周囲を流れ熱交換しながら反対側の配管から油タンクに戻ります。油の流れは途中に設けられた邪魔板で阻害され、油と水が効率よく熱交換できるように工夫されています。

(3) 注意点

  • 冷却水の準備が必要です
  • 油の温度は冷却水の温度以下にはできません。またオイルコンのような温度調整はできませんが、単純に油温を下げたい場合、小型で取り付けやすく油圧ユニット冷却用などに使用されます。

*ポンプドレン冷却用オイルクーラ

  • ポンプのドレン配管から油タンクに変える油を冷却するオイルクーラです。

(1) 用途

  • ポンプなどのドレン配管に取付、熱油を冷却して油タンクに返します。
  • 少量の油を流し、直接空気をラジエータに通して熱交換します。

(2) 外観例

*油圧ユニットへのオイルクーラ取り付け例

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