ページの本文へ

1. 油圧制御弁について

  • 油圧制御弁は用途により大きく分けて3種類あります。
  • 油圧ポンプから吐出される油の圧力・流量をアクチュエータ(シリンダ・油圧モータ)の動作に応じた圧力・流量・流れの方向に調整するバルブです。
種類 用途
圧力制御弁 油の力(圧力)を調整するバルブ
流量制御弁 油の量(流量)を調整するバルブ
方向制御弁 油の流れる方向を切換えたり、一方向にしか流れないように制御するバルブ

ここでは流量制御弁について説明します。

2. 流量制御弁

油の流量を調整する際、主に下記のような弁(バルブ)を使用します。

種類 用途
絞り弁(スロットルバルブ)

・油の通過する量(流量)を調整します。

・圧力変化や温度変化でバルブを通過する流量が変化する場合があります。

流量調整弁(フローコントロールバルブ)

・絞り弁より調整精度が高い流量制御弁です。

分流弁(集流弁・分集流弁)

・分流弁は、一つの入口から入る油の量(流量)を、二つの出口に均等に
 分割する流量制御弁です。

・集流弁は、二つの入り口から入る油の量(流量)を均等に合流し、
 一つの出口から送り出す流量制御弁です。

・分集流弁は分流弁と集流弁両方の機能を備えています。

2-1. 絞り弁

  • 絞り弁はスロットルバルブとも呼びます。

絞り弁外観とJIS記号

絞り弁使用回路例

絞り弁の油圧回路内での動作例について説明します。

下記油圧回路図では、絞り弁Aでシリンダの押出し流量を、絞り弁Bでシリンダの引き込み流量を設定しています。
シリンダに入る油の量を制御することで動作速度を調整しています。

2-2. 流量調整弁

  • フローコントロールバルブとも呼びます。
  • 圧力が変化しても通過流量を一定に保つことの可能なバルブです。

流量調整弁外観とJIS記号

流量調整弁使用回路例

流量調整弁の油圧回路内での動作例について説明します。

下記油圧回路図では流量調整Aでシリンダの押出し流量を、流量調整弁Bでシリンダの引き込み流量を設定しています。
シリンダに入る油の量を制御することで動作速度を調整しています。

2-3. 分流弁(集流弁・分集流弁)

  • 分流弁は、一つの入口側から入ってくる油の量(流量)を、2つの出口に均等に分割する流量制御弁です。
  • 集流弁は、2つの入口側から入ってくる油の量(流量)を均等にして合流し、一つの出口側から送り出す流量制御弁です。
  • 分集流弁は分流弁と集流弁両方の機能を備えています。

分流弁(集流弁・分集流弁)油圧JIS記号 

分流弁使用回路例

分流弁の油圧回路内での動作例について説明します。

下記油圧回路図では、シリンダ押出し側の流量を分流弁で分け、シリンダの押出し速度をシリンダAとBで均等にする回路です。
シリンダAとBは同じ大きさのものを使用します。

(下記回路例シリンダ引き込み側は流量制御されていません)

ページの先頭へ