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  4. 方向制御弁1(切換弁)

1. 油圧制御弁について

・油圧制御弁は用途により大きく分けて3種類あります。

・油圧ポンプから吐出される油の圧力・流量をアクチュエータ(シリンダ・ 油圧モータ)の動作に応じた圧力・流量・流れの方向に調整するバルブです。

種類 用途
圧力制御弁 油の力(圧力)を調整するバルブ
流量制御弁 油の量(流量)を調整するバルブ
方向制御弁 油の流れる方向を切換えたり、一方向にしか流れないように制御するバルブ

ここでは方向制御弁の中で、油の流れる方向を切換えるバルブ(切換弁)について説明します。

2. 方向制御弁1(切換弁)

油圧回路内で油の流れる方向を切換える、もしくは油の流れを止めるために使用します。

使用条件によって多くの種類に分かれます。

  • 手動操作・電気操作(ソレノイドを使用した電磁式)
  • 切換位置2ヶ所・3ヶ所
  • 切換え前の状態に戻る(バネ付き)・切換えた状態を保持する
  • 油の流れる方向・停止  等々

これらの組み合わせにより、多くの種類に分かれます。

〔油圧JIS記号(例):電磁操作弁〕

  • 両側にソレノイドがついた電磁操作弁を表します。
  • 切換位置は3ヶ所あります。
  • バネが両側に付いており、電源を切ると中央に戻り油の流れを停止させます。(P・A・B・Tポートはすべてブロックしています)
  • 油の通路が4か所あり
      主に油圧ポンプと接続:P(ポート)
      主に油タンクと接続 :T(ポート)
      主にシリンダ等のアクチュエータと接続 :A・B(ポート)

2-1. 電磁切換弁

  • ソレノイドを使用して油路の切換えを行うバルブです。通常遠隔操作で使用できるため、一般的には電磁操作形の切換弁が多く使用されています。
  • ソレノイドの吸引力で直接油路の切換えを行うタイプの「電磁操作弁」と、電磁操作弁をパイロット操作用の切換弁として使用し、主弁を切り換えることで、より多くの流量を流す事が可能な「電磁パイロット切換弁」があります。

電磁操作弁外観とJIS記号

  • ソレノイドの吸引力でスプールを動かし、直接油路の切換えを行うタイプです。

電磁パイロット切換弁外観とJIS記号

  • 電磁操作弁+主弁部で構成され、電磁操作弁をパイロット操作用の切換弁として使用し、油圧の強い力で主弁のスプールを操作するタイプです。
  • 通常油の流量が多くなると、こちらの電磁パイロット切換弁を使用します。
1.片ソレノイド形

電磁操作弁(片ソレノイド形)の、油圧回路内での動作例について説明します。

下記油圧回路図では、ソレノイド(SOL.b)への通電をON/OFFすることでシリンダの押出しと引き込み動作を切換えています。

2.両ソレノイド形

電磁操作弁(両ソレノイド形)の、油圧回路内での動作例について説明します。

下記油圧回路図では、ソレノイド(SOL.a・SOL.b)の内、片方のソレノイドを通電ONすることでシリンダの押出しと引き込み動作を切換えています。

2-2. 手動切換弁

  • 手動レバーを操作して、油の流れる方向を切換える方向制御弁です。

手動操作弁外観とJIS記号

手動操作弁使用例

手動操作弁の、油圧回路内での動作例について説明します。

下記油圧回路図では、手動操作弁を切換えることでシリンダの押出しと引き込み動作を切換えています。

【回路例1】では

  • 手動レバーを右に倒すとシリンダは引き込み動作に切替わります。
  • 手動レバーを左に倒すとシリンダは押出し動作に切替わります。
  • 手動レバーから手を話すとバネの力で中立位置に戻ります。

【回路例2】では

  • 手動レバーを右に倒すとシリンダは引き込み動作に切替わります。
  • 手動レバーから手を放すとバネの力で左側に戻りシリンダ押出し動作に戻ります。
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