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  4. モジュラースタック弁
  • 圧力・流量及び方向を制御する弁(バルブ)の中にはモジュラースタック弁(一般的にスタック弁、積層弁とも表現される)と呼ばれるバルブがあり、油圧回路組立の簡略化やコンパクト化を目的として使用されます。

1. スタック弁回路の特徴 

  • モジュール化(標準化)されたスタック弁を積み重ねて、油圧回路を構成します。
    構成に必要なスタック弁を順番に積み重ねることで油圧回路が完成します。
    (圧力制御弁、流量制御弁、方向制御弁などが同じ取付寸法で統一されています)
  • スタック弁を用いて容易に油圧回路を構成するためのベースブロックとしてマニホールドブロックがあります。スタック弁をボルトで固定する面と、油圧配管を接続する穴が開いた面があります。
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  • スタック弁はマニホールドブロックに取付けられ、ポンプ吐出口およびアクチュエータとタンクへ配管することで油圧回路を構成します。
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  • 取付寸法は国際規格(ISO)で統一されている為、他社製品と取付互換性があります。
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2. スタック弁回路構成例

2-1. 1連構成の場合(例)

2-2. 3連接構成の場合(例)

  • マニホールドブロックの連接数を3つに変えることで3系統のアクチュエータへ接続でき、コンパクトなバルブ構成が可能です。

3. 特徴

  • 各スタック弁は、取付寸法が国際規格(ISO)で統一されています。
  • スタック弁は油の通過量と圧力降下に応じて、バルブサイズを選択します。

スタック弁のサイズと最大流量 

  • スタック弁のサイズと最高使用圧力・最大流量について一例を下記に表します。
  • 油の通過量増加に伴い、圧力降下が大きくなることから、条件によってはサイズにより決められている最大流量まで流れない可能性があります。スタック弁のサイズ選定時は必ず圧力降下特性を確認してください。
  • 最高使用圧力・最大流量・圧力降下等については、同じサイズでも各メーカで多少異なる場合があります。実際にバルブ選択の際は、各メーカの仕様などを確認してください。

当社バルブサイズと最高使用圧力・最大流量

サイズ 呼び径 最高使用圧力
(MPa)
最大流量
(L/min)
02 1/4B 35 40
03 3/8B 35 80
04 1/2B 35 300
06 3/4B 35 600

※スタック弁で回路構成が不可能な場合は、個別のバルブと油圧配管を用いた、もしくはカートリッジ弁を用いた回路構成としてください。

4. サイズ毎の特徴

4-1. 1/4B(02)サイズ

  • 油路の穴(ポート)の位置や、ボルト貫通穴の位置を統一しています。
  • 02サイズは、流路の配置が左右対称になっていますが、誤って逆に取付しないように、固定ボルトの左右の幅(ピッチ)を変えています。

例:絞り弁(形式:MT-02W)

※当社では、圧力制御弁・流量制御弁等各種サイズのスタック弁をご用意しています。

4-2. 1/4B(02)サイズのマニホールドブロック

  • 1本のアクチュエータ(シリンダ)で油圧回路を作成する場合は、マニホールドブロックも1連用を使用しますが、アクチュエータが複数ある場合は、多連接用のマニホールドブロックを使用することで、簡単な回路構成構成が可能です。

例:2連用(BT-202-50)

下記は2連接用のブロックです。

4-3. 3/8B(03)サイズ

  • 油の流路をへの字型に配置し、バルブの取付間違いを防止しています。

例:絞り弁(形式:MT-03W)

4-4. 3/8B(03)サイズのマニホールドブロック

  • 02サイズと比較して、P・T・A・Bポートの配置が変っています。

例:3連用(BT-303-50)

下記は3連接用のブロックです。

4-5. 1/2B(04)サイズ

  • 主な油の流路であるP・T・A・Bポートの他に外部パイロット用のXポート、外部ドレン用のYポートが標準仕様となっています。
  • 04サイズでは、位置決めピン穴が加工されており、ピンを取り付けることで各油路のポート位置を間違えることなく取付が可能です。

例:絞り弁 (形式:MT-04W)

4-6. 1/2B(04)サイズのマニホールドブロック

  • 02・03サイズと比較して、外部パイロット用のXポート、外部ドレン用のYポートが追加されています。
  • 取付位置を合わせるため位置決めピン穴がマニホールドブロックにも加工されています。

例:3連用(BT-304-50)

下記は3連接用のブロックです。

4-7. 3/4B(06)サイズ

  • 主な油の流路であるP・T・A・Bポートの他に外部パイロット用のXポート、外部ドレン用のYポートが標準仕様となっています。
  • 位置決めピンを取り付けることで、各油路のポート位置を間違えることなく取付が可能です。

例:絞り弁(形式:MT-06W)

5. スタック弁を使用した油圧回路図

5-1. 配管方式とスタック弁方式の油圧回路図 

スタック弁に置きかえた場合の油圧回路図を作成します。

  • 実際にスタック弁を積み上げていく順番に合わせて作図します。
    (通常、マニホールドブロックを基礎にして配管 一番上側に方向制御弁取付け)
  • スタック弁JIS記号をそのまま積み上げていきます。

5-2. 複数連接油圧回路図

  • アクチュエータが複数ある場合は、数に応じた連接数のマニホールドブロックにスタック弁を搭載することで、油圧回路構成が可能です。
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